オリジナル設定、捏造設定、パロ設定が多数存在します。それが苦手な方は見ないことをオススメします。
キャラクターの性格がなんか違うとしても気にしないでください。それがあなたのためであり、そのすべては私の文章力、理解力の欠如によるものです。
幻想郷と呼ばれる世界がある。そこは世界から隔離された異世界。世界とは見えない壁で仕切られてはいるがその世界と大本の世界は一体である。――つまり世界における表と裏の関係。テーブルに置いた硬貨の表をその世界とするならテーブルに隠れて見えない面こそ“幻想郷”。
その幻想郷の中で鬱蒼と茂る魔法の森。その玄関口にポツンと建っている一つの道具屋。掲げられた看板には香霖堂と書かれている。
香霖堂―幻想郷で唯一外の世界の商品を扱う珍品道具屋。拾った道具をすべて売りつけるという少々、いやかなり変な道具屋である。故にそこの主人も一癖も二癖もあることは言わずもがなである。
今、店の中に入りきらないのであろう商品の数々が店の外に乱雑に積み重ねられ放置されている。そんな店なのだからより一層店主は目を光らせていなければいけないはずなのに現在、その店主“森近・霖之助”は――外出していた。しかも店の戸に鍵もかけずに、だ。
そんなことはいざ知らずに、香霖堂の前に一つの影が降り立った。それは黒と白のエプロンドレスにとんがり帽子をかぶった金髪の少女“霧雨・魔理沙”である。
「おーい、香ー霖ー!遊びに来たぜー!!」
魔理沙は香霖堂の戸に手をかけ、戸を開け放ちながらそう大声で言った。しかし、いつもならばカウンターに座って本を読んでいるはずの霖之助の姿が無くて不満気に
「なんだ、留守なのか……」
と、呟きながら乗ってきた箒を店内に立て掛けカウンターに腰をかけ、近くにある商品を漁りだした。するとそこに、万年閑古鳥が鳴きそうな香霖堂には珍しく二人目の客がやってきた。
その客は腋出し巫女服の博麗神社の万年金欠貧乏巫女“博麗・霊夢”であった。
「………なにやってるのよ、魔理沙」
ざっと店内を見回し、店主である霖之助が居らず、魔理沙が商品を物色していることを見咎めてそう言った。
「見て分かるだろ?遊びに来たらこーりんが居ないから、なんか無いか荒らしてんだぜ」
何を今更、と言いそうな顔で魔理沙が霊夢を見た。その手には使用法の良く分からないものがごっそりと抱え込まれている。
「…ねえ、魔理沙。あなたがやってること、ただの空き巣よ」
呆れたように霊夢が言うと、ショックを受けたかのように魔理沙は手に抱えていたものを落とし、固まった。
「・・・・・・・・・気づいてなかったの?」
やれやれ、と首を振りながら溜息をついた霊夢に、魔理沙は慌てて、
「べ、別に、そそそ、そんなことは無いぜ?」
そのどう見ても不自然な様子に霊夢は、
「どもり過ぎ。そんなんじゃ言ってるも同然よ。――それで、霖之助さんはどこにいってるか知らない?」
一瞬真剣な顔になり霊夢が魔理沙にそう尋ねた。
「知らないぜ。またどっかで拾い物でもしてるんじゃないのか?で、なんの用なんだ。言ってみろよ」
何か異変でもあったのか、と期待に目を輝かせながら魔理沙が尋ねた。
「いや、お茶でも集ろうかと思ってね・・・」
ふぅ、と息を吐いてカウンターにだらけてもたれかかった霊夢に、魔理沙は脱力し苦笑いを浮かべた。
「というか、金はあるのか?」
「私は集りに来た、って言ったのよ?」
ニヤつきながら聞いて来る魔理沙に、言外にないと言いながら堂々とした態度の霊夢に魔理沙は呆れるほか無かった。
「だいたい、そんな質問するんだったらうちの神社にお賽銭ぐらいしていきなさいよ」
「まだ賽銭(そいつ)、諦めてなかったのか?驚いたぜ」
意地の悪い笑みを浮かべた魔理沙に対して、
「人間、生活の糧を求めるのは普通よ」
と、ごく一般常識を語るような平静な口調で霊夢はそういった。
その様子に魔理沙は呆れ、苦笑するしかなかったのは言うまでも無いことである。
「まあ、いつもこーりんはあそこの戸棚に菓子を入れてるぜ」
そう言って魔理沙は店の奥にある比較的見えやすい位置に有る戸棚を指差した。
其れと同時に、霊夢は目を光らせ、鴉天狗にも負けないくらいの速さでその戸棚に向かった。そして、戸棚を空けると皿に乗った羊羹があることに気づき、魔理沙に向きかえった。
「…なんであんたが知ってんのよ?」
「そりゃいつもそこから拝借してるからだぜ」
空腹によって少し思考がおかしくなっていた霊夢が正気を取り戻して魔理沙に尋ねると、屈託無く、そして悪気もなさそうな笑顔で魔理沙はそうのたまった。
「まったく、あんたは……」
「それに目の色変えて飛びついたやつには言われたくないぜ」
つい先ほど自分のしようとしたことを棚に上げて魔理沙を諌めようとする霊夢に、魔理沙はやれやれといった口調で返した。
「……まったくキミたちは、他人の家に勝手に上がりこんで一体何をやっているんだい?」
二人の視線が店の奥に向いたのを見計らったかのように、香霖堂の店主である霖之助が戸口から顔を覗かせた。なんとも空気の読める男である。その手には拾ってきたであろう物が抱え込まれていた。
「あら、霖之助さんお帰りなさい。この羊羹貰うわね。答えは聞かないけど」
「おー、こーりん。邪魔してるぜ」
霖之助を一瞥した後、先ほどまでの躊躇いの影を一切見せずに羊羹を頬張る霊夢と、霊夢の方へ向けていた視線を霖之助~正確には霖之助が持っている物~へ向け、興味を隠し切れていない魔理沙。その視線を察してか手に持っていた物をごそごそと漁って中から一つ、綺麗な石のようなものを取り出して自慢げに話し出した。
「これは今日拾ったものでも一番良くてね、“でばいす”っていう外の世界のものなんだけど“魔法の補助・強化”をするようなんだ」
自慢話は蒐集家としての性なのだろうか?その自慢話に夢中で自分の手の中にあるものを見て不穏なことを考えている霊夢と、魔法という言葉に反応した魔理沙に気づくことが出来なかった。
「(…魔法?でもそんなことよりあの石…高く売れそうね。これで渋いお茶が飲めるわ)」
「(魔法の強化?…こりゃ戴いて帰って研究しないとな)」
霖之助の自慢がクライマックスに近づいているとき、話を聞き流して自分の思考に埋没している二人には理由は違えども二人の頭にはあの“でばいす”とやらを持って行くことしかなかった。
「―――と、いうわけでこれは僕が厳重に保管するよ」
自慢話を経て、どれだけ“でばいす”が危険なものかという仮説・こじつけを加え、最終的に自分が所持するように理論を無理矢理展開していくということは、霖之助にとって茶飯事であった。彼の蒐集家としての面を知っている二人もその結論に到ることは予想が付いていた、が、生活の向上のため、探究心のため、みすみす諦めるという選択肢は存在していなかった。
「……霊夢、目が¥マークになってるよ。魔理沙、キミは何で獲物を見るような目で僕の手の中にあるものを見ているんだい?」
一息ついてやっと周りのことに目が向くようになったときには既に彼の近くにじりじりとにじり寄っている狩人な二人が居た。多少二人の目が逝っている気がするが、気のせいだろう、きっと多分おそらく。
そんな二人に焦った霖之助は、あわててこう付け足した。
「こ、この“でばいす”は一つしかないが、何故かこれとはまた一つ一つ違った形な“でばいす”という名前のものが合わせて20個程度見つかったんだ。……何故かは分からないけどね」
少々ずれた眼鏡を直し、多少真剣な声音で最後の言葉を吐き出した霖之助に対し、魔理沙は、
「物で釣ろうってのか?あまいぜ、こーりん」
その発言をブラフと取ったのか不敵に微笑み更に歩を進める。其れに対し霊夢は少し考え、霖之助の話にあった引っ掛る部分に気づき歩みを止めた。
「ちょっと待って、霖之助さん。なんで外の世界に魔法に関する道具があるのかしら?それも大量に」
「やっと気づいたかい?僕も少々そこには引っ掛っていたんだ。魔法に関する知識を持った人間は外の世界には殆ど居ないし、居たにしても20個なんて数が流れ着いているなんておかしいと思うだろ?」
「なんだ、また異変か?」
霖之助は立っているのに疲れたのか、カウンターに抱えていた荷物を置き、魔理沙を除けて自分がいつも座っているカウンターの席に座った。その膝の上に魔理沙が座ったが二人にとってそれはごくありふれた光景だった。そして真剣な会話をしている二人を横目に、魔理沙は楽しそうに笑った。
「まあ、拾ったものの大部分が形は違えど“でばいす”なんでね。正直なところ、全部保管するには少々雑多すぎる店内だと我ながら思うし、まあ理由はどうあれ折角来てボクを待っていたキミたちを手ぶらで帰すのも忍びない。良ければ一つずつだが持っていくかい?」
「「いいの(か)!」」
珍しく気前のいい(いつもならば絶対にどれだけあっても他人にはあれこれ言って自分から譲ろうとしない)霖之助に、自分たちが力尽くでも奪おうとしていたことを忘れ叫ぶ二人。魔理沙は霖之助の膝から跳ねて立ったから、その頭部が顎に激突し、涙目で顎をさする霖之助。そんな彼を尻目に二人は
「これは大異変よ!もしかしたら幻想郷崩壊の危機!?」
「不味いぜ霊夢!こーりんがこんなになるなんて、これは今までの異変よりも格段にヤバいぜ!!」
等と言って大騒ぎをしていた。
自分でも慣れない事をしたと思っていた霖之助だが、こんなにまで悪い意味で大きな反応が返ってくると前言を撤回したくなってもおかしくは無いだろう。しかし、今彼は顎を強打した為にすぐには声を発することは出来ず、苦虫を潰したような顔になっただけだった。
数十秒後、霖之助が回復したときには二人とも冷静を取り戻し、自分たちがした反応に苦笑いを浮かべながら多少反省していた。
「……まあ、ボクも慣れない事をしたとは思っているけど、そこまで驚くことかな?」
まだ少し痛むのか、目を潤ませながらもそう問い掛けると、
「霊夢のとこに賽銭があったときぐらい珍しくてな……」
「そうね―――って、なんでうちの神社に賽銭があることが未曾有の大異変なのよ!?」
「そこまでは言ってないぜ」
「……それなら仕方ない、かな」
「霖之助さんも納得しないで!」
ハハハ、と魔理沙と霖之助の笑い声が響く中、霊夢はムキになって反論を続けた。
1~2分後、ようやく笑いの止まった二人と対称に疲れきった霊夢が全力疾走後かのように息を切らせていた。
「と、とにかく!これはれっきとした異変よ!!」
「こーりんの気前の良さか?」
「違うわよ!!」
気恥ずかしさからか、息を整えることもそこそこに叫ぶように言った霊夢に対して魔理沙はまたも茶化すように言ったが、即否定の言葉が返ってきた。そんな魔理沙の手にはいつの間にか箒が握られていることから、からかっただけだろう。
こ こ ま で デ バ イ ス の 存 在 意 味 な し
これはひどい。メカ東方とか言われて書いたけどイメージ=リリなの×東方みたいな。
自分の中では外の世界の魔法=東方の弾幕をイメージしているものだとしています。
この先は、今考えているのは三つあり、ひとつは冥土長が中国が拾ってなんやかんや。
二つ目は藍がゆかりんからの使いとして回収に来てなんやかんや。
三つ目は異変について何か知ってるとしてゆかりんに殴りこみ。
どれにするかは決めてないし決めていたらすでに書いていますよね。
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